暗号通貨(仮想通貨)をめぐる事件の考察~事件から学ぶ3つのこと

暗号通貨を知る

暗号通貨(仮想通貨)をめぐる事件が頻発しています。2018年1月には暗号通貨(仮想通貨)取引所のコインチェックから5億2300万NEMがハッキング被害に遭い、話題になったばかりです。こうした暗号通貨(仮想通貨)の過去の事件を考察することで、個人投資家が暗号通貨(仮想通貨)に安全に投資するために注意すべきことを解説します。

暗号通貨(仮想通貨)をめぐる過去最大の事件~マウントゴックス事件

事件の概要

当時マウントゴックス社は東京に本社を置く、世界一のビットコイン取引所でした。しかし突然2014年2月28日マウントゴック社が運営するMTGOXが民事再生法の適用を申請しました。顧客の預かり金28億円とビットコイン75万BTCが消失してしまったためです。ビットコインの被害総額は当時の価格でおよそ470億円(事件当時は1BTC=550ドル前後)にものぼります。

なぜ事件が引き起こされたのか?

当時マウントゴックス社では、顧客からビットコインを購入するために預かっている資金と自社の資金が一緒に管理されていました。このため関係者であれば、比較的簡単にお金を横領することができる状況になっていたと考えられます。

またビットコインはオンライン上に置かれていました。そのため簡単にハッカーに狙われたと推測されます。

事件後の対応

  • 仮想通貨交換業者の登録の義務付け

登録制にすることで、暗号通貨(仮想通貨)取引所を行政の管理下に置き監視することができます。

  • 仮想通貨交換業者自体の資産と顧客の資産を分けて管理することの義務付け

資金を分離して管理させることで、顧客の資金が保全されます。

  • 仮想通貨交換業者の財務規制

資本金が1000万円未満または純資産額がマイナスの場合、登録することができなくなっています。

コインチェックのNEM流出事件

事件の概要

2018年1月26日に国内の大手暗号通貨(仮想通貨)取引所であるコインチェックがハッキング被害に遭い、暗号通貨(仮想通貨)のNEMが5億2,300万NEM盗まれました。事件当時のレートで被害総額はおよそ580億円にものぼりました。

 

1月26日午前3時ごろ      コインチェックのNEMのアドレスから、5億2,300万のNEMが送信される

1月26日正午ごろ             NEM入金制限

1月26日午後13時ごろ    NEM売買・出金制限

1月26日午後16時ごろ    すべての暗号通貨(仮想通貨)出金停止

1月26日午後17時ごろ    BTC以外の暗号通貨(仮想通貨)売買停止

1月26日午後23時半       記者会見

なぜ事件が引き起こされたのか?

記者会見でコインチェック側はオンラインでNEMを管理していたことを認めました。またコールドウォレットでの保管は技術的に難しいため、ホットウォレットで管理していたと述べています。

基本、暗号通貨(仮想通貨)はコールドウォレット(オフライン)で管理した場合、ハッキング被害に遭うことはありません。コインチェックのNEM流出事件はコインチェック側の管理のずさんさに原因があったと言えます。

事件後の対応

  • 被害者に賠償を発表

2018年1月28日コインチェックは「不正に送金された仮想通貨NEMの保有者に対する補償方針について」を発表。NEM保有者およそ26万人に対し、88.549円×保有数で賠償すると発表しました。

  • 2018年2月2日金融庁立ち入り検査
  • 業務改善報告書を提出

2018年2月13日業務改善報告書を提出しました。このときの記者会見で今後も事業を継続していくことも発表しています。

  • マネックスグループがコインチェックを買収

2018年4月6日マネックスグループがコインチェックを買収し、コインチェックを子会社にしました。

  • コインチェックで匿名通貨の取り扱いを廃止

2018年6月18日匿名通貨(モネロ・ジーキャッシュ・ダッシュ・オーガー)の取り扱いの廃止しました。

ICOに絡む詐欺事件

頻発するICO詐欺

頻発するICO詐欺。2018年2月にも「LoopX」が450万ドルを集めた途端、SNSをはじめとするネット上の痕跡をすべて消し逃走しました。このように集金はしても、そのまま消えてしまったり、突然内部分裂により事業が無くなったりとICOに絡む詐欺案件が多発しています。

なぜ事件が引き起こされたのか?

ICOはスタートアップ企業が資金を調達するには便利なシステムですが、投資家を保護する規定に欠けています。また、事業内容を知るために発行されるのが「ホワイトペーパー」のみと、投資家が十分に情報を精査できないということも理由に挙げられるでしょう。

事件後の対応

2017年中国・韓国ではICOが禁止されました。またアメリカでも証券取引委員会(SEC)はICOに対する規制を強化しています。

事件に巻き込まれないためにどうすればよいのか?

暗号通貨(仮想通貨)をめぐる事件は増加傾向にあります。これらの事件から個人投資家は自分の資産を守るために下記のポイントに留意して、安全に暗号通貨(仮想通貨)を取引していくように心掛けましょう。

  • 暗号通貨(仮想通貨)の保管はコールドウォレットで
  • ICOの利用は十分にホワイトペーパーを熟読してからにしましょう
  • 取引する暗号通貨(仮想通貨)取引所を吟味しましょう

参考: